高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

拙論「殷周革命論」のファイル

「殷周革命論」と題して連載してきたものの「金文篇」が一応一段落しました。正直なところ、殷周革命に関する謎解きがここまで出来るとは思ってもいませんでした。と言いますのも、当初は、陜西省岐山県の「周公廟遺址」から出土した甲骨文(殷末周初のもの…

2020年度連続公開講座(全3回)のお知らせ(変更あり)

今年は西周後期の代表的な青銅器である《毛公鼎》を読みます。 実施日時:11月28(土)14:00~16:00 3月13日(土)14:00~16:00 3月27日(土)14:00~16:00 会場:立命館大学衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム 講師:高島敏夫 内容: 去年は西周…

思い出すことなど(続き)

昨今の大学人の学問のあり方について痛切に思うことを考えているうちに、またまた若い頃のことを思い出した。若いと言っても多分三十代には入っていたと思う。だからこそ聞いた話しなのだが、やはり私の親友(その頃某国立大学の助教授)が先輩の学者から聞…

シン・ヒョンスのバッハ「シャコンヌ」を聴く

久しぶりにシン・ヒョンスを聽いた。しかもバッハの「シャコンヌ」。実は彼女が「シャコンヌ」をどんな風に弾くだろうかという漠然とした想定を以前からしていたのである。予想をはるかに超えるような気魄のある重厚なシャコンヌに出会うことになった。さす…

アイデアを書き留める。発展させる。精度を上げる。

私の場合、アイデアが浮かぶのは机に向かっている時よりも、移動中であることが多い。散歩をしている時にもよく浮かぶのだが、バスや電車など乗り物に乗っている時に、ふと閃くことが多い。いつも何かしら考えが浮かぶので、それを書き留めておかないと、そ…

近況など

こういう状況だが、私自身の研究者としての仕事は今年からまた新しい段階に入る。「古代語の文字表現」という誰も足を踏み入れることのなかった、重要な問題に入っていく。この問題は、当初予定していた『金文評釈(仮題)』と『金文語彙辞典(仮題)』の内…

漢文訓読の思い出(2)──漢漢辞典『辭海』を使い始める

先日書いた文章をまた読み返していると、一つ書き加えておいた方が良いことに気付いたので補足しておきたい。1回生で小川環樹・西田太一郎『漢文入門』(岩波全書)をマスターし、2回生で牛島徳次『漢語文法論(古代編)』(大修館書店)を読むという具合…

漢文訓読の思い出

新型コロナ肺炎のことが気がかりなのは確かだが、やるべきこと、守るべきことをしっかり実行しておいて、後は日頃できないことを試みたり、時間の関係でやめていたことに打ち込むのも一つの過ごし方である。中文の学生なら漢文の読解力を養うのに絶好のチャ…

ネットに愚痴や悪口を書く人々とは?

以前書いた文章に少し手を加えて再度アップする。 「ネットに愚痴や悪口を書くとダークサイドに堕ちる5つの理由」という文章を目にしたので要点だけ紹介する。筆者はコラムニストの石原壮一郎氏とのこと。5つの理由は下記。なるほどと思う。詳細は当該文章を…

曲阜にて(目次)

曲阜にて(1)──鼓楼の近く http://mojidouji.hatenablog.com/entry/2019/09/29/202452曲阜にて(2)──孔子郵便局 http://mojidouji.hatenablog.com/entry/2019/09/30/202212曲阜にて(3)──曲阜明故城の南城門 http://mojidouji.hatenablog.com/entry/20…

思い出すことなど

拙著をめぐって書いた文章を久しぶりに読み返していて、学生時代のことをあれこれと思い出した。大変な時代だったが、二人の先学の言葉に従ってこんなことをやっていたのである。冒頭は拙著『西周王朝論《話体版》』についてのコメントとして書いた文章なの…

「頭の柔軟な若いうちに」とは?

頭の柔軟な若いうちにこれこれのことをしておけ、という言葉は私の若い頃によく聞いた言葉である。だがそれは、必ずしも若い者の頭脳が柔軟だということを意味するわけではない。また、必ずしも年をとった者の頭脳が硬直していることを意味するわけでもない…