高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「金文に見る古代語の文字表現(一)序論 なぜ古代語なのか」

白川研究所〔略称〕の「紀要」に掲載した論文がPDFになったのでお知らせしておきます。 (注)「立命館白川静記念東洋文字文化研究所」がフルネーム。 「金文に見る古代語の文字表現(一)序論 なぜ古代語なのか」 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/s…

2021年度 連続公開講座「殷周革命の実態に迫る」の新しい日程

昨年度の講座の時に予告しておきましたように、今年度のテーマは「殷周革命」です。 恩師白川静の築いた土台の上に立ちながら、金文や文献の読みを深めることによって、この問題を扱うことができるようになりました。主に使う資料は西周時代の金文ですが、殷…

直観が働きはじめたのは40歳を過ぎたあたり

私の学者としての人生は随分迂遠な道をたどってきたように思われる。そもそも恩師白川静が膨大な仕事を積み上げて来たので、先ずそれを一通り読んで理解するところから始めなければならなかったという事情がある。その上、恩師の求める内容が並大抵のもので…

「技」としての「思考」

「考える」という行為は武道(武術)における「技」と同じだという考え方は、或る武道家から教えられたものである。やはり学生時代に出会った重要な「教え」で、振り返ってみて全面的に同意できるものである。「技」としての「思考」。技を創り上げるつもり…

「大学は頭の悪い者が行く所だ」という考え方

以前書いた文章の中で次のようなことを書いていた。《私は父親に進学を反対されるような貧しい境遇にあったため、本を買う金がなかったということも関係しているのだが。だから高価な書物は友人が読まなくなった本を借りて読んだりした。》 この時父親が反対…

「金文語彙索引」を作成することによって得たもの

「金文語彙索引」を全て手仕事だけでやったことによって、金文の語彙を「身体が覚える」という趣旨で書いたことがあるが、翻って考えてみればそれ以外にも色々得たものがあることに気付いたので、今回改めて書き留めておくことにする。 この作業は一見単純作…

思い出すことなど(3)

大学に進学するのを父親から反対されたことについては、以前書いたことがあるが、実は高校に進学する時も反対され「〔室町に〕丁稚に行け!」と言われたのだ。ろくに勉強もしないで某運動部に精を出していた頃なので、返す言葉もなかったのだが、新聞配達の…