高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

白川詩経研

《陳風》「防有鵲巢」の読解を中心に

先日の《白川詩経研》は「防有鵲巢」と「月出」の二篇を読んだ。「防有鵲巢」についてはほとんどの研究者がうまく説明できていない。各章の第2句までの興的表現の理解がうまく行っていないのだ。これが最大のポイントである。一旦解けてしまうと理解が深ま…

《陳風》「墓門」の読解

昨日の《白川詩経研》は前回に続いて「墓門」を解読する会になりました。今までやってきた研究会の中で最も重要な内容になりました。それは語彙の用例を徹底的に調べてくるだけでなく、それらの用例を読み抜くことによって、解読しきれなかった詩句を理解す…

雅頌の「魚」から、「墓門」に入る

昨日の《白川詩経研》は予告通り、雅頌における「魚」についての調査報告から始まりました。雅頌では魚が祖霊を暗示するものとして歌われていることや、霊的な存在としてと見立てられていることが述べられました。前回までにやった国風では、女の隠喩である…

《国風》に見える「魚」(その1)

先週の《白川詩経研》もまた妙に盛り上がりました。《国風》に見える「魚」が必ずしも女性の隠喩とは限らない、しかし男性とも断定しがたい。強いて言えばやはり女性のような、といった調子でしたが、聞一多の言い方としては「匹偶」ですから文字通り受け取…

《陳風》について

今日は《陳風》「衡門」から読み始めました。この「衡門」はなかなか曲者で、含みのある表現が多いだけでなく、説明がしにくい側面がありました。恋の歌というよりもかなり猥雑な内容であるらしい。「魚を食う」という表現がやはり話題になりました。「魚」…

白川詩経研究会の第1回を終えて

昨日実施した、学生諸君との「白川詩経研究会」(白川詩経を読む会)は少人数ながら大変充実した楽しい会となりました。昨日は不明の語彙の意味を見極める時、用例を調べて割り出していく方法を伝授しました。今後はそれぞれが実践しながら技量を高めるよう…