高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

古代研究

2024年度連続公開講座《金文講座》(全5回)のお知らせ

高島敏夫《金文講座》──白川静『金文通釈』に沿って(3年目) 3年目に入りました。引き続き、白川静『金文通釈』に扱われた金文テキストを読み進める形で講義します。 周知の通り、金文研究としては中国も含めて最も高いレベルを示している白川静『金文通…

YouTubeの高島敏夫《金文講座》は5篇アップしました。

YouTubeの高島敏夫《金文講座》は(八)として「西周初期の諸器」の銘文を読みます。https://www.youtube.com/channel/UCGqRJu2Ff4waKSahWGfjTGg/videos 040~044のテキストはここからダウンロードできます。https://drive.google.com/file/d/1fDO_HcgmoEKBL…

12月24日(土)の連続公開講座《金文講座》のお知らせ

今回は(六)として「宗周・京・成周での祭儀」と題しました。 特に注目すべき銘文は白鶴美術館所蔵の《臣辰卣(士上卣)》です。宗周での儀礼→京での儀礼→成周での儀礼と、日を置きながらこの順番で行なわれたことが焦点になります。 《史獸鼎》からは洛陽…

拙論「殷周革命論」のファイル

「殷周革命論」と題して連載してきたものの「金文篇」が一応一段落しました。正直なところ、殷周革命に関する謎解きがここまで出来るとは思ってもいませんでした。と言いますのも、当初は、陜西省岐山県の「周公廟遺址」から出土した甲骨文(殷末周初のもの…

曲阜にて(その5)──『孔子故里志』

『山東省志・孔子故里志』《山東省志71》(中華書局 1994年)767頁。 山東省地方史志編纂委員会編 孔子と曲阜とに関する総合的で詳しい書物である。曲阜に行く前にこういうものを読んでおきたかった。行く前に私が読んでいたのは、ガイドブック類の他、古典的…

「古代語」という概念の重要性

拙著『甲骨文の誕生 原論』を上梓したことによって、甲骨文や金文の時代の言語に即した文字観を打ち出すことができた。この文字観は「特別な時に用いられる口頭言語(雅語)を記録したものが文字である」というものだが、その後もいきなり文字で記す(文字言…

ふとこんなことを考えた

年が明け年度が終わろうとする。奇妙な時期である。今年度を振り返る時期でありまた新年度をどのように過ごすかを考える時期でもある。手帳はかなり前から一月始まりのものにしている。人それぞれだが私はこの方が使いやすい。また公式には一週間の始まりは…

フレーザー『旧約聖書のフォークロア』

フレーザーの『旧約聖書のフォークロア』に戻る。目次のうち章立ての大目次だけを下に記しておいた。 私は一昨年、「春秋時代における『天命』と『大命』」(「学林」49号)と題して、古代中国における成文法のことについて論じた時に、古代イスラエルの場合に…

関根正雄の古代イスラエル研究

一昨日、フレーザー『金枝篇』のことを書いてみたが、フレーザーには『旧約聖書のフォークロア』(太陽社 1976年)という本もある。『金枝篇』ほどぶ厚くはないが長篇である。ところがどういうわけか、日本語訳が再版されていないようで現在入手困難な書…

フレーザー『金枝篇』

久保寺逸彦『アイヌの文学』のことから、古代呪術の世界が最近の若い人に知られていないことを連想した。ついでにフレーザー『金枝篇』についても書いておいた方がよさそうだ。岩波文庫では5冊構成になっている。これは縮小版であって、全訳は東京書籍あた…

久保寺逸彦『アイヌの文学』

ある本を探していたら昔買っておいた『アイヌの文学』(岩波新書 1977年)が見つかった。これは「東京学芸大学研究報告」第七集別冊(1956年)所収の「アイヌ文学序説」をそのまま収録したものだという。ぐんぐん引き込まれる。素晴らしい研究だ。アイヌ語の…