2019-01-01から1年間の記事一覧
[附記] 第2回は、第1回の銘文の要約から始めますので、第2回目から出席される方にも理解できると思います。第2回目の銘文を読む過程で、カリスマと徳との関係など、かなり重要な問題に言及します。第1回で話題にした「殷周革命」や「天の思想」とも関連…
顔子廟の入口の門。門の向こうに次の門が見える。このような構造は周公廟の構造とよく似ている。植えられた樹木が柏と檜という点でも同じである。 顔子廟は入場料は無料なのだが、午前中だったからか見物客が少なくひっそりしていた。女子学生風の3人連れが…
今目にしているのは、曲阜明城の北垣(北壁)である。城壁の北側に立っているので壁は西方向に伸びている。(東方側はこの後に掲示する。) 曲阜を囲む城壁は明城・漢城・周城の三重構造になっている。一番外側が西周時代の城壁だが、漢城との距離が東西長・…
孔廟は宿から直ぐの所にあったので、都合3度入った。私の場合、顔パスになっているので入場料は不要であった。考古学的な探索を終えた後、気分転換と路上観察を兼ねてふらっと入ってしまう感覚である。 孔廟は孔林のように広いわけではないから、3度目とも…
「大成殿」前。孔子を祭る孔廟でこういう光景を目にするとは思わなかった。一昨年行った陝西省扶風県の法門寺の祭壇の前では、五体投地のように深々とお辞儀をする敬虔な仏教徒を何度も見たものだが、我々今の日本人は屋外でこのようなお辞儀をする習慣はな…
曲阜の入口は「萬仞宮牆」と記された半円形の明代の城壁の門だが、ここはまた孔廟の入口でもある。右の石碑には「曲阜」、左のには「孔廟・孔府・孔林」と記されている。 城壁の外側は例によって城壕になっている。壕に沿って植えられた柳が見事だ。 堂々た…
曲阜市内を走る公共バス(公交)がこんな所に? という感じなのを撮ったもの。件の古城村を出て直ぐのところ。曲阜市内を走るバスは実に多種多様で、遠くは湖北など他省からの観光バスも見かける。 孔廟・孔府・孔林(三孔)などの観光地を巡るだけなら「曲…
「魯国故城国家考古遺址公園」 実は尼山(孔子生誕の地と言われている土地)に行くつもりでバスに乗ったのに、途中で下車したのがこの標示のあるところ。大層な名前がついているが、行ってみると西周時代の東の城壁の南端部であった。『曲阜魯国故城』(前掲…
現地から一度レポートした所だが、少し時間をおいて振り返りながらまた書いてみることにした。現在の地名としては「舞雩台公園」。ちょうど曲阜市公安局の真南にある。バスで来る場合も「公安局」というバス停で下りて直ぐの所。 雨乞いの儀礼を行なった場所…
『山東省志・孔子故里志』《山東省志71》(中華書局 1994年)767頁。 山東省地方史志編纂委員会編 孔子と曲阜とに関する総合的で詳しい書物である。曲阜に行く前にこういうものを読んでおきたかった。行く前に私が読んでいたのは、ガイドブック類の他、古典的…
曲阜の町は西周時代に始まる。その曲阜の町の中心に高台があり、そこに周公廟が建造された。この高台から町全体を見下ろす風景を見たいと思って来たのだが、生憎の曇り空で見通しが悪く、眺望はかなわなかった。期待していた周公廟附属の博物館も非公開と分…
曲阜の南城門である。ただし明代の故城の南城門である。この道(鼓楼南街)に沿って門をくぐり真っ直ぐ北上すると件の「鼓楼門」に着く。距離にして1km足らずだから歩くのにもちょうど良い。鼓楼からさらに同じ道を1kmほど北上すると北城門(明故城の)に…
孔子郵局(孔子郵便局)。名前からすると私設なのかと思ったが、よく見るといわゆる普通の郵便局である。これも孔府の傍にあるからそのように命名したのだろうが、曲阜ならではのことである。入口のガラス扉には『論語』冒頭の有名な章句が記されている。「…
穏やかで落ち着いた町曲阜。こういう雰囲気を予想できなかった。それだけに何ともいえず嬉しい気分である。向こうに見える白壁は孔府の東壁である。壁沿いの道を歩く家族連れ。こういう光景を毎日何度も目にした。道行く電動バイク。中国ではこの乗物が近年…
上海に向かう新幹線を待つ間、曲阜に生まれ育ったという一人の大学院生が、話しかけてきた。40分以上も話したので、話題が多岐にわたったが、一番印象に残ったのは、「中国と韓国と日本は東アジア文化として共通の文化を持っていますね」ということを、彼が…
文法といえば大抵の人は学校文法(橋本文法)しか想定しないようだが、文法という場合、言葉一つ一つの働き、言葉間の相互関係、言葉の機能等々、言語で表現された言葉の全体と個々の言葉の働きのすべてを含むものなのである。別の言い方をすれば、言語を観…
2月27日の文章の最後尾に加筆した文章をここにも一時的に掲げる。 用例分析を積み重ねてきた者として一言アドバイスをしておきたい。それは「用例分析」は最初は時間もかかり労力(めげずに続ける粘り強さ)も一通りではないが、「用例分析」の経験は必ず自…
新元号の「令和」については、『万葉集』巻5の「梅花の歌」三十二首の序から採ったというのだから、その序文と和歌を見ればいいのである。たとえ「令月」という語の初出が中国の古典の中にあるからといって、『万葉集』を見もせずに中国の古典の方で元号を…
拙著『甲骨文の誕生 原論』を上梓したことによって、甲骨文や金文の時代の言語に即した文字観を打ち出すことができた。この文字観は「特別な時に用いられる口頭言語(雅語)を記録したものが文字である」というものだが、その後もいきなり文字で記す(文字言…
年が明け年度が終わろうとする。奇妙な時期である。今年度を振り返る時期でありまた新年度をどのように過ごすかを考える時期でもある。手帳はかなり前から一月始まりのものにしている。人それぞれだが私はこの方が使いやすい。また公式には一週間の始まりは…