高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

曲阜にて(11)──孔廟で団体旅行の中に

 孔廟は宿から直ぐの所にあったので、都合3度入った。私の場合、顔パスになっているので入場料は不要であった。考古学的な探索を終えた後、気分転換と路上観察を兼ねてふらっと入ってしまう感覚である。
 孔廟は孔林のように広いわけではないから、3度目ともなるとどこに何があるか頭に入ってしまう。この日は日曜日とあって団体客が多かった。どの団体客にも添乗員が付いている。添乗員の説明を聞くのも面白いかなと思って、中に紛れ込んで聞いていると、ユーモアたっぷりに説明する人もいて笑い声さえする。和気藹々とした雰囲気の中でそうこうしているうちに、面白い木を見つけた。

 

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  どこかの文字のような象形文字のような模様が表われている。写真に収めると若干印象が変わるが、実際に見ていると犬の顔そっくりに見えるものもある。面白そうに見ていると、団体客の一人が近寄ってきて「何を見ているんですか? ほう文字みたいに見えますね」という。「面白いなあ」という会話を交わした後、撮ったものである。

 

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 孔廟のスズメは人慣れしているのか、人間様の飲む水を飲みにくる。休憩所で一休みしている時にスズメが直ぐ目の前に飛んできて止まったところ。こちらの様子をうかがっているが、逃げる気配はない。大したものである。

 

 観光客の中には退職後のご夫婦もいて記念写真を撮っている。通りかかった私にも声がかかる。ツーショットの写真を撮りたいので、シャッターを押してもらえませんかという。引き受けると、まだスマートフォンを持っている。そしてこの位置でこの角度で、画面の上からここまで空けてシャッターを押してほしいという。「よしきた」というわけで、2枚撮った。これでどうですか?  というと、「グー」と、にっこり。「お一人ですか?」「そうです」といったやりとり。大変仲の良いご夫婦であった。まさか私が日本人であるとは思っていない様子。曲阜では日本人に一度も会わなかった。

 


   → 曲阜にて(12)──曲阜の城壁(北壁)その他
      http://mojidouji.hatenablog.com/entry/2019/10/31/205936