高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

《国風》に見える「魚」(その1)

 先週の《白川詩経研》もまた妙に盛り上がりました。《国風》に見える「魚」が必ずしも女性の隠喩とは限らない、しかし男性とも断定しがたい。強いて言えばやはり女性のような、といった調子でしたが、聞一多の言い方としては「匹偶」ですから文字通り受け取れば男性も含むことになる。しかし本当にそうなのか? という疑問も残りました。この問題はもっと別の観点からの解釈が可能にならなければ、はっきりさせることはできないと思います。また無理に決着をつけるような問題でもありません。どこまで追究できるかやってみる、ということが大切です。
 次回つまり今週の土曜日(6/25)は、雅と頌に見える「魚」について調べる。詩篇は「墓門」から3篇ないし4篇進む。次々回は「鳥」についてということでしたね。こういう風に具体的な問題を考えているうちに、いつしか甲骨金文の世界に入っていくことになります。「東門」の問題も残っていますがこれは時間がかかりそうです。