高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

YouTubeの高島敏夫《金文講座》に(九)「康王期の諸器」の5篇をアップしました

 YouTubeの高島敏夫《金文講座》は(九)として「康王期の諸器」の銘文を読みます。
https://www.youtube.com/channel/UCGqRJu2Ff4waKSahWGfjTGg/videos

 045~049のテキストはここからダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/10xRy2fDGRh0CWKFtERL6SZyebc1tdxTw/view?usp=sharing

【045《金文講座》054 宜侯夨𣪘 を読む】
 虎侯夨が宜の地に封建され宜侯夨になったことを記した銘文である。虎侯は殷代からの大族で、かつて虎方と呼ばれる方国であった。その虎侯夨がたくさんの賜物を与えられ、宜の地を治めるよう命ぜられたことを記した銘文。

【046《金文講座》055 小臣ほ鼎・056 せき尊・057羿彝を読む】
 仲(公仲)関係の銘文である。「中」という呼称だけではどういう人物であるか、全く手がかりがなかったが、琉璃河鎮の中型墓地から「公仲」の名が記された青銅器が出土したことによって、推測が可能になってきた。

【047《金文講座》058 作冊䰧卣を読む】
 作冊䰧の作器ではあるが、記されているのは公大史の動向のことが多い。公大史がどのような人物であったかを考える手がかりの一つになっている。公大史と公仲とのことも話題にします。

【048《金文講座》059 叔徳𣪘・060 徳方鼎を読む】
 徳関係の2器の銘文を読む。この中に出てくる「𦿣」を、「宗周」と関連付けて説明する。「宗周」については、047《金文講座》で補説した。

【049《金文講座》061 耳尊・062 ばい𣪘を読む】
 殷系氏族𣪘ではあるが、あまり知られていない氏族の青銅器の銘文を2篇読む。西周時代初期の特徴として字形に様々なバリエーションがあることを知る良い材料ともいえる。

 

2023年度連続公開講座(全5回)のお知らせ

 高島敏夫《金文講座》──白川静『金文通釈』に沿って(続き)

  第4回・第5回の日程が決まりましたので、お知らせします。以下、修正したものに書き換えました。チラシも修正版に置き換えました。

 高島敏夫《金文講座》──白川静『金文通釈』に沿って(続き)

 昨年度に続き、白川静『金文通釈』に扱われた金文テキストを読み進める形で講義します。『金文通釈』は西周時代の金文を網羅的に集めて緻密な考証を加えたもので、この分野では最もレベルの高いものであることは周知の通りです。
 今年度も『金文通釈』の成果を踏まえた上で、一般の人にも理解して頂きやすいように努めます。第二世代としては、白川先生にとって未解決の問題や未解明だった問題が、私なりに長い年月をかけて解明できたこともありますので、講座の内容に盛り込んでいきます。

【開催日程】
第1回 5月27日(土)14:00~16:00 【会場】立命館大学(衣笠)敬学館 KG208
第2回   7月15日(土)14:00~16:00 【会場】立命館大学(衣笠)敬学館 KG108
第3回 9月30日(土)14:00~16:00 【会場】立命館大学(衣笠)敬学館 KG108
第4回 12月9日(土)14:00~16:00 【会場】立命館大学(衣笠)存心館 ZS311
第5回 2月24日(土)14:00~16:00 【会場】立命館大学(衣笠)存心館 ZS311
(注)存心館は中央広場の西で、時計台の南の校舎。敬学館KG108は去年と同じ会場。

  YouTubeの《金文講座》は今年度も継続しています。

 

【講師】 高島 敏夫

立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所・客員研究員)
【備考】
・レジュメを配布いたします。
・筆記用具(ノート・ペン)を各自持参ください。
 



YouTubeの高島敏夫《金文講座》は5篇アップしました。

 YouTubeの高島敏夫《金文講座》は(八)として「西周初期の諸器」の銘文を読みます。
https://www.youtube.com/channel/UCGqRJu2Ff4waKSahWGfjTGg/videos

 040~044のテキストはここからダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/1fDO_HcgmoEKBLA7EGwlydjNCklxjuN2E/view?usp=share_link

【040《金文講座》047 𡩜鼎・048 大史友甗を読む】
 いずれも山東省寿張県梁山下出土の青銅器であるのが注目点。
047《𡩜鼎》は、召公一族の一人である伯𡩜が匽侯克から賜物を頂いた記念に作った青銅器。𥃝伯父辛の祭器と記しているので、召公奭と同輩行であることが分かる。
048《大史友甗》は、召公奭の祭器を作ったと記している。大史友は匽侯克と同輩行である。

【041《金文講座》049 小臣艅犧尊・050 䧹公鼎を読む】
 049《小臣艅犧尊》は召公一族の青銅器とともに梁山下から出土した青銅器だが、殷代末期のもので、作器者が殷の王族に近い人物である点が興味深い。この銘文と甲骨文第五期の卜辞の内容が一致しているのはどういうわけなのか。色々と考える材料が多い。
 050《䧹公鼎》の䧹公は成王の弟と伝えられる。

【042《金文講座》051 獻𣪘を読む】
 作器者の獻が自分の君主の名をいう時に「天子そ伯」という。気になる銘文である。

【043《金文講座》052 史䛗𣪘・053 らん方鼎を読む】
 052《史䛗𣪘》は漢語文法の知識だけでは理解できない文である。当時の言語〔古代語〕を改めて考える材料になる。
 053《らん方鼎》は、051《獻𣪘》に出てきた「そ伯」が「そ仲」の名で出てくる銘文。軍の指揮官だったらしく、「旞旄」を賜与されている。

【044《金文講座》諸器紹介篇】

 

3月11日(土)の連続公開講座《金文講座》のお知らせ

 今回は(八)として「(八)西周初期の諸器」と題しました。

 前回は匽侯と召公一族の銘文を読みましたが、その中で山東省梁山下出土の3器を残しておりましたので、これを先ず読みます。梁山はあの梁山泊でしたか。ここは意外に色んな舞台になってきたようです。特に《小臣艅犧尊》が謎解きの鍵を握っているようです。
 その他、成王の弟の䧹公のもの。また、王でもない「そ伯」が銘文の中で「天子そ伯」と呼ばれているのはどういうことなのか? といったような難しい銘文群ですが、お待ちしております。

【補説】

  会場:敬学館 KG108教室(立命館大学 衣笠キャンパス
  日時:3月11日(土)14:00~16:00 

 公開講座のテキスト〔正規版〕は当日配布します。

 ご質問も受け付けます。講座以外のことでもご質問頂ければ私に分かる範囲でお答えします。「質問受付用紙」を用意していますので、下記のところからダウンロードして下さい。当日講座開始前にご提出下さい。(終了後でも可)

   【質問受付用紙】
  https://drive.google.com/file/d/10bGswJ5rDX0qIzTP9XQWrKcxS1xz083V/view?usp=share_link

 

2月25日(土)の連続公開講座《金文講座》のお知らせ

  今回は(七)として「(七)匽侯と召公一族の銘文」と題しました。

 「匽」の地が河南省山東省ではなく、北京市の西南郊外の琉璃河鎮一帯であることが、考古学の発掘により明らかになりました。また匽侯を命ぜられたのは文献に記されたように召公奭ではありますが、実際に赴任したのはその子の克であったことも、琉璃河商周遺址から出土した《克罍》《克盉》の銘文から分かりました。
 こうしたことが明らかになったことで、分かりにくかった銘文がかなり具体的に描き出せるようになりました。もちろんまだ不明な点も残っていて難解な銘文が多いですが、私なりに何とか理解できる形にまとめたつもりです。それと今回読む銘文で面白いのは、「白馬」が3回も出て来ることです。【補説】として私自身も2回行ったことのある琉璃河商周遺址のことなどもお話し致します。

  会場:敬学館 KG108教室(立命館大学 衣笠キャンパス
  日時:2月25日(土)14:00~16:00 

 公開講座のテキスト〔正規版〕は当日配布します。

 ご質問も受け付けます。講座以外のことでもご質問頂ければ私に分かる範囲でお答えします。「質問受付用紙」を用意していますので、下記のところからダウンロードして下さい。当日講座開始前にご提出下さい。(終了後でも可)

   【質問受付用紙】
  https://drive.google.com/file/d/10bGswJ5rDX0qIzTP9XQWrKcxS1xz083V/view?usp=share_link

 

【高島敏夫《金文講座》 ──白川静『金文通釈』に沿って】に6篇アップしました。

高島敏夫《金文講座》 ──白川静『金文通釈』に沿ってに6篇アップしました。034~039です。
    テキストには「(七)匽侯と召公一族の銘文」としております。
 難解な銘文が多いですが、何とか理解できる形にまとめたつもりです。

 匽は後に燕と表記しますが、最初は「匽」と書いていて、そこに召公が封建されたこと、しかし実際に匽の地に赴任したのは息子の「克」であるという点が重要な事柄です。

 今回読む銘文には珍しいことに「白馬」が3回出てきます。これらの銘文をまとめて見ると、以前分からなかったことが結びついてきて、合点の行くところが出てきます。学問の面白いところはこういう所にあります。

【034《金文講座》040 𥃝尊を読む】https://www.youtube.com/watch?v=sz-fJzQi-jk&t=52s
【035《金文講座》041 克罍_42 小臣きょ鼎を読む】https://www.youtube.com/watch?v=cJJYw5_ssRg&t=7s
【036《金文講座》043 匽侯召鼎を読む】https://www.youtube.com/watch?v=A9ULuCmAyX0&t=9s
【037《金文講座》044 𥃝圜器を読む】https://www.youtube.com/watch?v=iILUti2T1Tc&t=6s
【038《金文講座》045 堇鼎を読む】https://www.youtube.com/watch?v=k28KAtWR-Tw&t=5s
【039《金文講座》046 作冊大方鼎を読む】https://www.youtube.com/watch?v=FBvXtuva7wc&t=176s

 034~039のテキストはここからダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/1PILcwzb-ftoiiNbITpewNN8lWea47ezE/view?usp=share_link

 最後に【補説】として「琉璃河商周遺址」の最近の情報を紹介しております。これは中国の「考古公開課」という番組を元に整理したものです。2023年1月2日に放映されたものです。講師は雷興山という考古学者です。説明も分かりやすいです。以下に記しておきます。

〈带您一起揭秘琉璃河遗址,寻找最早的北京城!20230102 |《考古公开课》CCTV科教〉
https://www.youtube.com/watch?v=C1qes9KVjWk

 

12月24日(土)の連続公開講座《金文講座》のお知らせ

  今回は(六)として「宗周・京・成周での祭儀」と題しました。

 特に注目すべき銘文は白鶴美術館所蔵の《臣辰卣(士上卣)》です。宗周での儀礼京での儀礼→成周での儀礼と、日を置きながらこの順番で行なわれたことが焦点になります。
 《史獸鼎》からは洛陽の新都成周建設の一幕がうかがわれ、これも興味深い銘文です。
 その他、西周時代初期の短くて読みづらい銘文も読みますが、その読解を通して、金文という資料にどうアプローチするかという関心をもって臨んで頂ければいいかと思います。

  会場:敬学館 KG108教室(立命館大学 衣笠キャンパス
  日時:12月24日(土)14:00~16:00 

 YouTubeの「高島敏夫《金文講座》」も併せてご覧頂ければ理解が深まると思います。

 YouTube用のテキスト〔縮約版〕は下記のところからダウンロードできます。

  https://drive.google.com/file/d/1PrreNP-UfVmsQKDogidFrx4xGcn7f4rx/view?usp=share_link

 公開講座のテキスト〔正規版〕は当日配布します。

 ご質問も受け付けます。「質問受付用紙」を用意していますので、下記のところからダウンロードして下さい。当日講座開始前にご提出下さい。(終了後でも可)

   【質問受付用紙】
  https://drive.google.com/file/d/10bGswJ5rDX0qIzTP9XQWrKcxS1xz083V/view?usp=share_link