高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

【高島敏夫《金文講座》 ──白川静『金文通釈』に沿って】に4篇アップしました。

 【高島敏夫《金文講座》 ──白川静『金文通釈』に沿って】に4篇アップしました。
  今回は(五)として「成周における殷の祭儀等」と題しました。

 成王の妃である王姜。周公の子である明保(明公)。そして成周で行なわれた殷の祭儀。殷の祭儀を挙行することを周王が命ずる銘文等々。この時期ならではの興味深い銘文を扱います。

【024~027】のテキストはここからダウンロードできます。
https://drive.google.com/file/d/1tKUfu_6DACLIqzRvr0RCImMPp3QOrkZM/view?usp=share_link


【024《金文講座》027 令𣪘】https://youtu.be/2n9-sZVCvIA
 《令𣪘》は、殷系氏族である作冊夨令が、成王の妃で成王の代理を務める王姜に対して殷の祭儀を行なった際、その夨令に王姜が多数の賜物を与えたことを記す銘文。王姜からの賜物を周王の賜物と捉えている点に注目。この銘文は前半に書いたことを、後半にも同じ趣旨で繰り返している点が珍しいところ。ここにしか出てこない言葉もかなりあり難解だが、この時期はまだ祭祀言語が整っていないことを物語る。

.【025《金文講座》028 令彝】https://youtu.be/eIuxXB_3Cbg
周公の子の明保(明公)が成周の長官に相当する重要な職務を命じられることを記した銘文。明保は明公と呼ばれ、時には明公尹と呼ばれるが、作冊夨令はその配下にあって重要な役割を果たしていたことがうかがわれる。

【026《金文講座》029 作册𤳞卣】https://youtu.be/48NpVbRHHJo
周公の子明保(明公)が成周で殷の祭儀を挙行したことを記した銘文。

【027《金文講座》030 小臣傳𣪘】https://youtu.be/zQBKXRljZ0U
 この銘文の眼目は、周王が発した命令が、殷の祭儀を成周で行なえというものであった点。しかもそれをホウ京という所で発したという点である。