高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

曲阜にて(その1)──鼓楼の近く

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 穏やかで落ち着いた町曲阜。こういう雰囲気を予想できなかった。それだけに何ともいえず嬉しい気分である。向こうに見える白壁は孔府の東壁である。壁沿いの道を歩く家族連れ。こういう光景を毎日何度も目にした。道行く電動バイク。中国ではこの乗物が近年急速に普及している。おっと、目の前にある3台もそうだった。

 

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 そしてこれは、我が宿のJames Joyce Coffetel(喆啡酒店)。酒屋ではない。曲阜のホテルの名前がほとんど「◎◎酒店」になっているのは、近年になって観光客が増えホテルが急増したからのようだ。「◎◎飯店」という名称は昔の名前で、今なら「飯店」はレストランの意味になるという。私の若い頃に習った中国語では「飯店」はホテルの意味だと教わった。そんなことをバスの運転手(女性)と歓談する一幕もあった。
 ホテルの中に大きな書棚があるのを知っていたので、宿泊期間中に中国語訳の『尤利西斯(ユリシーズ)』でも読めるかと思ったが、ジョイスの小説が1冊もなかった。名前に相応しくないね。写真は営業用に脚色されたのを拝借した。なかなか幻想的な雰囲気を醸し出している。実際はこれほどではないが、鼓楼附近の夜はかなり幻想的である。

 

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 孔府の東口にもなっている「鼓楼」。ファインダを通して見るように、孔府への道を遠望する。そこを通りかかる女性たち。

 
   → 曲阜にて(2)──孔子郵便局
      http://mojidouji.hatenablog.com/entry/2019/09/30/202212