高島敏夫の研究室

白川文字学第二世代です。2017年8月にはてなダイアリーから引っ越してきました。少しずつ書き継いでいきます。

研究論文の心臓部分は論証過程だ

 学問や研究と呼ぶ世界ではその論文の命は論証である。特に論証過程が最も重要なのであって、極論すれば結論は二の次である。どのように論証しているかによって結論の是非を判断するということだ。
 更にもう一点言うならば、物事を考える場合には必ず前提がある。人間の思考過程というものは、何かが前提にあってその前提の上に考えを展開する。私が授業の中で一度は口にする言い方をするなら、「あらゆる命題には前提がある」ということだ。その前提にどれだけ注意を向けているかによっても、結論が変わってくる。自分の思考過程に横たわっている前提に関心が高いか否かで、その人の研究レベルが決まると思う。